軽く転んだだけで骨折したって?
軽く転んだだけで骨折したって?
大腿骨頸部骨折の恐怖 – なぜ太ももの骨が折れるのか?
骨粗しょう症による骨折の中で最も恐ろしいものの一つが大腿骨頸部骨折です。
大腿骨は太くて円筒形をしており、人体の骨の中で最も長く、丈夫であり、内部は空洞のパイプ状になっています。
この骨は骨盤と膝の間に位置し、上部は骨盤と連結する股関節、下部はすねの骨と連結する膝関節を構成しています。
このうち骨盤とつながる丸みを帯びた細い部分が頸部と呼ばれます。
本来、大腿骨は走ったりジャンプしたりといった激しい運動にも耐えられるほど頑丈な骨ですが、骨粗しょう症によって弱くなると、相対的に細い頸部が簡単に折れてしまうことがあります。
また、高齢になると筋力やバランス感覚が低下し、ちょっとしたつまずきや低い段差での転倒でも骨折を引き起こすことが少なくありません。
寝たきり生活の原因の12%が転倒による骨折!?
高齢者が大腿骨頸部骨折を起こすと、日常生活が困難になり、そのまま寝たきりの生活になることがあります。
日本の厚生労働省の調査によると、高齢者が介護を必要とする主な原因の約12%が転倒・骨折によるものだと報告されています。
また、高齢者は若い人に比べて回復が遅く、寝たきりの生活が続くことで足の筋力が衰え、自力で起き上がれなくなってしまうこともあります。
さらに、寝たきりになると体重が骨にかかることがなくなり、骨粗しょう症の進行が加速してしまいます。
加えて、骨の健康は免疫機能や記憶力とも関係しているため、感染症にかかりやすくなったり、認知症が進行したりするなど、より深刻な事態に陥る可能性もあります。
したがって、将来、大腿骨頸部骨折を防ぐためには、できるだけ若いうちから骨密度を高めておき、筋力やバランス感覚を鍛えて転倒を防ぐことが重要です。
骨が弱くなると、記憶力や免疫力も低下する!?
「骨折して寝たきりになったら、一気に老化が進んでしまった」
「骨折して動かなくなったら、認知症が始まってしまった」
このような話を聞いたことがあるでしょうか?
こうした現象は以前から知られていましたが、なぜそうなるのかは長い間解明されていませんでした。
しかし、近年の研究によって、骨から分泌される「若さのホルモン」と認知症に関連がある可能性が示されました。
骨に刺激が加わると、骨芽細胞が「若返りホルモン」であるオステオカルシンを分泌します。
しかし、寝たきりの生活では骨に刺激が伝わらず、活力が低下し、「若さのメッセージ」であるオステオカルシンが放出されなくなるため、老化が進行してしまうのです。
さらに、オステオカルシンは脳の機能にも関与していることが研究で明らかになっています。
オステオカルシンの分泌を抑えた実験用マウスは、記憶に関係する脳の「海馬」の体積が小さく、構造が脆弱でした。
海馬は、「今起こったこと」を記憶する短期記憶を担当する部位です。
短期記憶の能力が低下すると、物を失くす回数が増え、判断力や創造的な思考力が衰え、最終的に認知症へと進行する可能性があります。
また、オステオカルシンと同様に、骨芽細胞から分泌される「骨形成関連タンパク質」であるオステオポンチンは免疫機能にも関与しています。
骨に適度な刺激が加わらないとオステオポンチンが分泌されず、免疫細胞の数が減少・弱体化してしまい、肺炎などの感染症やガンにかかるリスクが高くなります。
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