減塩の歴史と健康への影響|いつから推奨されるようになったのか?

 減塩をおすすめするようになったのはいつからか?


減塩を意識し始めたのは、1970年代から1980年代にかけて、高血圧や心血管疾患の予防を目的に医学界や公衆衛生の分野で推奨されるようになった頃からです。特に、WHO(世界保健機関)や各国の厚生機関が食塩摂取量の制限を推奨するようになり、減塩運動が広まりました。


日本では、1960年代頃から「日本人の食事に塩分が多すぎる」という指摘があり、1970年代から本格的に減塩が推奨され始めました。厚生労働省も食事摂取基準を定め、成人の1日あたりの塩分摂取量を男性7.5g、女性6.5g以下(2020年版)としています。


特に、高血圧のリスクが高い人にとっては減塩が重要とされ、「減塩=健康的」という考え方が一般的になりました。



なぜ減塩が推奨されるようになったのか?


主な理由は以下の通りです。

 1. 高血圧のリスクを下げるため

 • 塩分を多く摂取すると、体内の水分バランスが崩れ、血圧が上昇すると考えられています。

 • 高血圧は心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるため、減塩が推奨されました。


 2. 心血管疾患の予防

 • 高血圧を放置すると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中の原因になるとされました。


 3. 腎臓病の予防

 • 塩分の過剰摂取は腎臓に負担をかけ、腎機能の低下を引き起こすとされました。


 4. 胃がんのリスク軽減

 • 塩分の多い食事は胃の粘膜を傷つけ、胃がんのリスクを高めるとされました。


こうした研究結果から、減塩が健康的な生活の基本とされ、多くの人が意識するようになりました。



しかし、最近「減塩しすぎると危険」とわかってきた


近年の研究では、「減塩が必ずしも健康に良いとは限らない」という指摘が増えています。

理由は以下の通りです。


 1. 塩分不足による健康リスク

 • ナトリウムは生命維持に必須のミネラルであり、不足すると 低ナトリウム血症 になる可能性があります。

 • 低ナトリウム血症になると、めまい、倦怠感、認知機能の低下、最悪の場合、昏睡状態や死亡のリスクもあります。


 2. 減塩しすぎると逆に心血管疾患のリスクが上がる可能性

 • 2016年の国際研究(PURE Study)では、極端な減塩が逆に心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性があることが指摘されました。

 • 適度な塩分摂取(1日7.5g程度)が、最も健康リスクが低いとされています。


 3. 減塩食がストレスを引き起こす

 • 減塩食は「味が薄い」と感じることが多く、食事の満足度が下がります。

 • 食事の楽しみが減ることで、ストレスが増え、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増え、

かえって血圧を上げる可能性があります。


 4. 日本人にとって適切な塩分量は個人差が大きい

 • 日本人は歴史的に「塩分の多い食文化」に適応してきたため、一律に減塩をすすめることが健康に良いとは限らないという意見も増えています。

 • 体質によっては、無理な減塩がかえって体調を崩す原因になることもあります。



結論:極端な減塩より「適塩」が大事


現在の研究では、「減塩しすぎるのも危険」という考え方が広まっています。重要なのは、一律に減塩するのではなく、自分に合った適切な塩分量(適塩)を摂取することです。


特に、伝統的な天然塩や**ミネラル豊富な塩(例:竹塩、焼塩、海塩、岩塩など)**を適度に摂取することで、ミネラルバランスを整えつつ、体に必要なナトリウムを補うことが重要だと考えられています。


減塩がすべての人にとって健康的とは限らず、「バランスの取れた質の良い塩の摂取」が大切ということですね。

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