塩の力⑤ - 塩が持つ絞り出す力・押し出す力!塩不足が体に与える影響
絞り出す力、押し出す気運
血や汗、涙のように、私たちの体の内外をつなぐ穴から出てくる分泌物はすべてが塩辛いです。この塩っぱいものが絞り出す力、押し出す力を持っています。
生きていく中で、体には様々な老廃物がたまりがちです。たとえば、古い感情のしこり、使い古した考え、代謝の過程で残る老廃物などです。これらを絞り出さなければ、健康に生きていくことはできません。涙や汗を流さず、体の中にため込んでしまうと、いずれそれらは腐ってしまいます。腎臓や膀胱から尿として排出し、汗や涙、鼻水、分泌物としても排出してこそ、私たちは生き続けることができるのです。
重金属、有毒ガス、脂肪、体内毒素、汚染物質などのあらゆる老廃物も体外へ押し出さなければなりません。このような古く濁ったものをしっかりと外に排出するためには、力が必要です。体の隅々に酸素や栄養分を供給し、使い終わったものを回収して外に出すための力が必要なのです。この絞り出す力、押し出す力こそが塩味の力なのです。
体に塩味が足りないと、この押し出す力が弱まり、血液が濁って滞留し、固まることでさまざまな症状が体や心に現れます。この力は収縮して押し出す役割を果たします。たとえば、胃壁の収縮運動、内臓の連動運動、生殖器の運動、筋肉の動き、細胞や血漿の物質交換など、すべてにこの絞り出す力が必要です。
新しい水が絶え間なく湧き出て、古いものを押し流し、川が流れるように古い気運を排出し、新たなエネルギーを得る力。これが血液循環と新陳代謝を可能にします。この力は、陰陽が交わって命が宿り、子宮の羊水を絶え間なく清浄に保ち、胎児を10ヶ月間育てる原動力です。さらに、子宮を収縮させて新しい命をこの世に送り出す力でもあります。また、新しい一日を始め、新しい春を迎え、新しい人生を生きるための気運を作り出します。塩味は、古いものを絞り出して外に出し、新たな流れを生み出す力なのです。
年齢とともに増える塩味への欲求
年を取ると味覚が塩辛くなると言いますが、それは単に感覚が鈍くなるだけではありません。生命活動が盛んなときは絞り出す力も強いですが、年を取るにつれて体内の水分が減り、硬くなることでこの力が弱まります。その結果、前立腺の異常や尿失禁が起き、尿の調整ができなくなったり、口が渇いたり、汗の調節が効かなくなったりします。目が乾いて涙が出やすくなり、生殖器の分泌物も減少します。水分不足によりホルモンや消化液の分泌もスムーズにいかなくなります。
また、人生で経験した恨みや後悔が積み重なり、心が乾き、脳が砂漠のように荒れることもあります。水分は塩分とともに動きます。塩分があるからこそ水分は調節されるのです。塩辛い食事が好まれるのは、単なる貧しい時代の名残ではなく、実際に絞り出す力が多く必要となる自然な現象なのです。
塩味と体の清浄化
塩味が体内に入ると、乾ききった体が水分を取り込むことができるようになります。塩は水とともに老廃物を排出し、浄化された血液を再び体に循環させます。体内に塩分が不足すると水も吸収されず、十分な水分を摂取できません。無理に水を飲んでも、体は体液の電解質濃度を維持しようとして水をすぐに排出してしまいます。こうなるとトイレが近くなるだけです。
塩分が不足すると体内の流れが停滞し、硬くなり、ついには腐敗します。体内に塊ができたり、壊死が起きることもあります。無理に水を飲もうとしても、体が受け付けないのです。塩と水が不足すると、老廃物や毒素がますます溜まり、血管が詰まる原因となります。現代人は精神的なストレスによっても血管が詰まり、心臓の鼓動が乱れることで命の危険にさらされることがあります。
塩分が不足すると炎症を引き起こします。胃炎、大腸炎、副鼻腔炎、中耳炎、前立腺炎、歯周炎など、さまざまな部位で炎症が起きます。
絞り出し、循環し、新たな命を生む力
老廃物を絞り出し、新陳代謝を活性化させなければ、私たちの生命は流れを失い、最終的には死と同じ状態に陥ります。生命は絶え間なく新しい細胞に入れ替わり、何一つその場に留まり続けるものはありません。分子の観点では、3ヶ月前の自分と今の自分は異なります。細胞の観点では、1年前の自分と今の自分はまったく別の人間と言えるかもしれません。
流れ続け、新しくなり、生命として生きるためには、水と塩の力が必要不可欠です。必要な力が増えると、自然と塩味を求めるようになります。人間を生かす食事には塩が欠かせません。生魚はそのままでは腐りますが、塩漬けにすれば長期間保存できます。白菜や大根は塩漬けにしてキムチや漬物、冬の間の保存食品として利用されます。
豚の後ろ脚を塩漬けにして生ハムを作り、牛乳を発酵させてチーズを作ります。大豆という畑のタンパク質に海の塩が加わると、味噌や醤油になります。塩は自らを溶かして、すべての食材の味や香り、色を引き立てます。
塩は水を保持し、水を流れるようにします。水と塩は体の隅々を巡り、栄養を供給し、老廃物を回収して体外へ排出し、再び体を清浄にします。血液が清らかになれば、顔色も自然と明るくなり、生き生きとした姿が戻ります。
塩がなければ、神経を通じた情報の伝達も、筋肉の収縮活動も行われません。その結果、塩が不足すると体は思うように動かなくなります。頭では動かしたいと思っていても、体が固まって動かせないのです。ぎこちなくなり、不自然な状態になります。塩の気運が適度にあることで、肉体も精神も清らかになり、その人本来の姿が輝き出すのです。
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