塩の力⑨ - 減塩ソルトは本当に健康に良い?低塩を選ぶ前に知るべきこと
減塩ソルトは健康に良いのか?
最近、「健康ソルト」として知られる、塩味はそのままでナトリウムを減らしたという塩が販売されています。しかし、その成分を見てみると、ナトリウムを減らす代わりに塩化カリウムを加えている場合が多いのです。しかし、カリウムの過剰摂取はナトリウム以上に危険です。
ナトリウムは水分を引き寄せて血圧を上昇させ、カリウムはナトリウムを尿として排出し血圧を下げる働きをします。そのため、高血圧の人にはカリウムが多く含まれる果物や野菜を摂ることが勧められることもあります。しかし、カリウムが過剰になると、筋肉の麻痺や胸の痛み、不整脈、呼吸困難を引き起こし、重症の場合には「高カリウム血症」によって心停止に至ることもあります。実際、塩化カリウムはアメリカなどで死刑執行に使われる薬剤でもあります。
アメリカやオーストラリアなどでは、低ナトリウム塩製品による副作用の可能性を警告する表示が義務付けられています。また、韓国でも食品医薬品安全処が健康に害を及ぼす可能性があるとして、注意喚起の文言を製品に明記するよう指示しています。さらに、塩化カリウムを含む塩は健康問題だけでなく、苦味が強く、料理に使うと美味しさを損なうというデメリットもあります。
ナトリウムだけを取り除くという短絡的なアプローチは、思わぬ結果を招くことがあるのです。
塩は必要不可欠な物質
実際、どんな物質にも薬効と毒性が共存しています。そのため、ナトリウムやカリウムのような成分を切り離して分析すると、見る立場によって天使にも悪魔にも見えてしまうのです。しかし、塩は他の何物にも代えられない存在です。
塩に含まれる「塩化ナトリウム」は、体にとって欠かせないものです。塩の役割を無視し、それを他の物質で置き換えようとするのは間違いです。塩素とナトリウムが一緒になった「塩化ナトリウム」でなければ果たせない役割が存在します。塩は、消化液や電解質の主成分であり、細胞や組織を構成する重要な要素です。
ナトリウムを他の物質に置き換えて摂取量を減らせば良いと考えるかもしれませんが、体にとってはそう簡単な話ではありません。生きるために必須である塩を摂取しなければ、結局、他の食品を過剰に食べてしまうことになりかねません。
「減塩が健康に良い」という表面的な言葉に惑わされず、塩の本来の役割を正しく理解することが大切です。塩は体に必要不可欠な栄養素であり、適切に摂取することで、体全体の健康を維持できます。塩を置き換えるという単純な発想ではなく、自然の塩を上手に取り入れた食生活を心がけましょう。
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