塩の力⑧ - 塩辛いものを食べると太る?低塩ダイエットの落とし穴と塩不足のリスク
塩辛いものを食べると太る?
ダイエットをするには減塩が必要だ、という主張が一般常識のように思われています。
「塩分を摂ると体内の水分量が増え、体重が増える」という論理です。しかし、塩を摂らなくなると水分摂取が減り、体重が一時的に減ります。このため、瞬時に数キロ減量できることもあります。
試合を控えたアスリートや短期間で体重を落とす必要がある芸能人が行う方法のひとつが「水分調整」です。これは体内から水分を排出することで体重を減らす方法です。その最も簡単な方法が塩分を制限することです。しかし、こうして短期間で体重を減らした芸能人が突然老けて見える顔で現れることがあります。このとき失ったのは脂肪ではなく水分なのです。
再び普通の食事をすれば、体重は元に戻ります。数日間で2~3kg増減する場合、それは脂肪が増えたり減ったりしたわけではなく、体内の水分が変動した結果です。骨や筋肉の重さは数日で増減するものではありません。しかし、減塩ダイエットを続けると深刻な問題が起こる可能性があります。
私たちの体は塩分が不足すると、体液の塩分濃度を保つため、尿などで水分を排出してしまいます。水分が失われることで体重は減るかもしれませんが、見た目としては決して美しくありません。体内の水分不足で肌の弾力が失われると、瞬く間に老けた印象になります。短期間で体重を落としたボクサーの肌が干からびたミカンの皮のようになることもあります。ある芸能人は減塩ダイエットの結果、顔の皮膚がたるみ、シワが目立つようになり、「ろうそくのろうの顔」と呼ばれたほどです。
肌のために保湿クリームや美容液で外側のケアを重視しても、減塩や無塩食を行うと体内の水分供給が不足して、乾燥を避けられません。それだけでなく、めまい、脱水感、無気力、頭痛など健康にも悪影響が出ます。体重を減らそうとして、より重要な健康を失ってしまうのです。
たまに「減塩で健康的に痩せた」と話す芸能人がいますが、その食事内容を見ると実際は減塩ではありません。例えば、タコや昆布、海苔、わかめ、ひじきなどを食べて満足感を得たと言いますが、これらはすべて海由来の塩味を含む食材です。ただ料理に直接塩を加えなかっただけで、食材自体から塩分を摂取していたのです。
健康的に痩せるには「よく食べる」ことが大事
本当に体が必要としているものを満たすことが必要です。「味覚」は「体の欲求」を反映します。塩辛いものが欲しいのに無理に塩分制限をすると、結局、過食や暴食に繋がってしまいます。一方、必要なものを摂れば、体は満足して自然と食べるのをやめます。日頃から塩分が十分に摂取できていると、肉やインスタントラーメンが無性に欲しくなることもなく、夜食の誘惑にも負けません。
短期間で体重を落とす必要がある場合を除き、健康的なダイエットを目指すなら塩分をきちんと摂取すべきです。体が求める適度な塩味を楽しむことで、少量で満足し、エネルギー不足も防げます。これにより水分が十分に保たれ、弾力のある肌や体を維持しながら健康的にダイエットすることができます。塩分を摂ると利尿作用が働くため、結果として多くの食事を摂取することがなくなり、自然と少食になり、体重が減少します。
「塩辛いものを食べると太る」という考えは誤解です。むしろ適切な塩分摂取は、健康的で効率の良いダイエットに繋がります。体の声に耳を傾けて、必要な塩分をしっかり摂ることが大切です。
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